漆蔵資料館(国登録有形文化財)

ページID1004395  更新日 2021年9月28日

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特徴・見所

写真:漆蔵資料館

建築年代
座敷蔵:大正10年、旧米蔵:大正後期

座敷蔵は大正10年(1921)に建設されました。基礎・土台には院内石、煙返しの踏み段に黒御影を使用し、土蔵の側廻りは白黒の漆喰塗りを施し、開口部を磨き漆喰で仕上げる贅を尽くした造りとなっています。また、主要な部材は杉、欅、栗材で構成され、4寸8分の栗の通し柱を1尺5寸間隔に並べ、磨き漆喰の塗込壁で仕上げとしています。小屋組も他の土蔵とは異なり、洋小屋組(トラス構造)を意識した大寸法の梁・母屋・棟木を組合せた合掌構造としています。現在では入手不可能な良質な材料を惜しげもなく使用し、大工や左官工の技術の粋を結集させ造り上げられた究極の蔵と呼べる土蔵といえます。
旧米蔵は座敷蔵と同時期に建設され、正面だけが主屋と繋がる外蔵となっています。主屋に繋がる正面および土扉は黒漆喰で仕上げられ、冠木に鏝絵が施されるなど内蔵に準じた装飾が施されています。また、この土蔵の特徴は、外見上は和風の土蔵造りですが、内部の小屋組が洋小屋組(トラス構造)になっており、町内の同時期(大正期)に建設された土蔵にも同様な小屋組を見る事ができることから、西洋技術の伝播に伴い増田の土蔵建築も大正期以降、和洋折衷様式へ変化して行ったことを物語る変革期の土蔵の一つと言えます。

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