升川商店(旧栄助商店・国登録有形文化財)

ページID1004388  更新日 2021年9月28日

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特徴・見所

写真:升川商店

建築年代
主屋:大正期、座敷蔵:明治中期~後期(調査中)

建物の前部となる主屋は、部材に大正9年の墨書が残っていたことから、主屋は大正期に建替えられたものであることが判明しています。
主屋はこれまで、数度の改修が行われていますが、主たる構造材は当時のまま使用されており、二階部には大正当時の面影が残されていることから、主屋の詳細については今後の詳細調査が期待されます。
座敷蔵は2階建て切妻造で東側妻部正面に掛子塗り4段の土扉が付き、西側裏口には掛子塗り3段の土扉が付いています。
土蔵の外壁は白漆喰で仕上げられ、正面妻壁と水切り下の腰周りが黒漆喰仕上げとなっています。共に磨き仕上げとなっていますが、水屋と接する正面妻壁は経年劣化で傷みが生じています。
当家の座敷蔵の特徴としては、一階内部が建築された当時、既に確立された貫を隠す塗り込め壁の技法が施されず、化粧貫仕上げとなっていることと、小屋組の梁に製材された木材ではなく、反りを持つ木材を巧みに使用し梁の強度と梁高を確保しているところです。
この座敷蔵は開口部の仕様など、土蔵造りの変遷に照らし合わせると明治中期以降のものに合致し、初代栄助氏が移り住んで荒物商を開業し直ぐ土蔵普請を行うことは考えにくく、前所有者である仙臺屋氏が建てたものと想像され、仙臺屋氏が荒物商を廃業した大正初期以前、商売が好調であった明治30年代に造られたものと推定されます。

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