高温下における農作物等の管理の徹底

ページID1010024  更新日 2023年8月31日

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高温下における農作物等の管理についてご確認ください

仙台管区気象台が発表した高温に関する早期天候情報によると、8月2日頃からかなりの高温が見込まれ、農作物等への被害が心配されます。高温下での農作業や農作物等の管理における注意事項について、ご確認ください。

共通事項

〈農作業中の熱中症対策〉

  1. 作業は、日中の気温の高い時間帯を外して行うとともに、休憩をこまめにとり、作業時間を短くするなどの工夫をする。特に、気温が高くなりやすいハウス等の施設内での作業では注意する。
  2. 水分をこまめに摂取し、汗で失われた水分を十分に補給する。
  3. 帽子の着用や汗を発散しやすい服装にする。
  4. 作業場所には日よけを設けるなど、できるだけ日陰で作業をするように努める。
  5. 屋内では、遮光や断熱材の施工等により、作業施設内の温度上昇を抑えるとともに、風通しを良くして室内の換気に努める。
  6. 令和5年7月14日からの豪雨により被害を受けたところでは、大雨被害の事後対策も含めて、特に対策を徹底する。

水稲

(1)水管理の徹底
 水管理の徹底により稲体の活力を維持して登熟の向上を図る。特に、登熟が高温条件下で経過すると、白末熟粒やくさび米(黒点症状米)等の被害粒の発生が多くなることから、水管理を徹底して被害軽減に努める。

  1. 出穂から10日間は湛水管理とし、その後は間断かん水を基本とする。ただし、最高気温が30℃以上になる場合は、用水の確保が可能であればかけ流しかん水を行う。かけ流しかん水が困難な場合(開花期後)は、落水期間の短い、間断かん水やかん水を日中に行うなど、水分供給と地温の低下に努める。
  2. フェーン現象等で乾燥した風が強い日は、湛水管理を行い、蒸散による水分の消耗を軽減する。
  3. カドミウム含有米の発生が懸念される地域では、出穂3週間後までは常時湛水管理とし、カドミウムの吸収を抑制する。

(2)斑点米カメムシ類防除の徹底
 高温条件では、斑点米カメムシ類の活動が活発になると予想されることから、以下の技術対策を徹底する。

  1. 出穂期(ほ場全体の40~50%が出穂した日)の把握に努め、出穂期10日後頃にアルバリン剤またはスタークル剤の茎葉散布剤を畦畔を含めたほ場全体に散布する。
  2. 出穂期10日後頃の茎葉散布剤の散布当日から7日後までに畦畔や農道の草刈りを必ず行う。
  3. 水田内に出穂したノビエやホタルイ類等が発生しているほ場、イネ科雑草が主体の牧草地や休耕田等の発生源に隣接しているほ場では、出穂期10日後頃に加えて同24日後頃にも茎葉散布剤を散布する。

7月下旬以降の高温と多照により、登熟が平年より進んでいるとともに、登熟期間中の高温により、白末熟粒の発生が懸念されます。仙台管区気象台から発表された1カ月予報によると、向こう1カ月の気温は高いと予報されています。このため、引き続き登熟の向上を図るための適正な水管理を徹底するとともに、刈り遅れによる品質低下を招かぬよう、栽培管理を徹底してください。

(1)登熟の向上を図る水管理
 落水時期が早いと、葉色の低下、葉の枯れ上がり、根の機能減退等により登熟が妨げられ、収量、品質、食味の低下を招くため、早期の落水は避ける。出穂後、30日までは間断かん水を実施し、土壌水分を保持しながら稲体の活力を維持し、登熟の向上に努める。

(2)適期の刈り取りと刈り遅れによる品質低下防止
 
出穂期後の日平均気温の積算による刈り取り目安は、あきたこまち等の早生種では950~1,050℃、ひとめぼれ、めんこいな、ゆめおばこ等の中生~晩生種は1,050~1,150℃である。本年は平年を大きく上回る高温が続き、積算温度は速いペースで増加していることから、刈取適期は早まることが確実である。最終的な刈り取り時期の決定は、各ほ場の籾の黄化程度を必ず確認し、黄化程度が90%に達した時期で判断する。刈り遅れによる大きな影響は、胴割れ米の発生による品質低下である。あきたこまち等の早生品種では、積算気温1,100℃を超えると発生割合が増加し、特に本年のような高温年は発生しやすいため、適期刈り取りのほか、収穫後の乾燥・調製においても細心の注意を払う。

大豆

(1)畝間かん水等の実施(開花期後)

  1. 暗きょの栓を閉めて、土壌中の水分の保持に努める。
  2. 大豆は、開花期~子実肥大期にかけて最も水分を必要とする時期であり、畝間かん水や明きょへのかん水などにより干ばつ防止に努める。
  3. 畝間かん水を行う場合は、畝の高さの2分の1程度とし、30a以上の大きなほ場の場合、ほ場を2~3区画程度に分け、1日1区画ずつ2~3日に分けかん水し、畝の崩壊と水口付近の湿害を防ぐ。
  4. ほ場(区画)全体に水が行き渡ったら水口をしっかり止め、速やかに排水する。
  5. かん水は、気温・地温が低下する夕方から夜に行う。

(2)病害虫防除の徹底

  1. 高温年は害虫の発生が多くなることから、ほ場をよく観察して適切な防除に努める。

野菜

(1)適切なかん水、換気、遮光等による品質確保

  1. 露地野菜では、早朝または夕方の涼しい時間帯にかん水を行う。畝間かん水する場合は、停滞水が無いように注意する。
  2. 施設野菜では、天窓及び施設側面の開放や換気扉の活用により十分な換気に努めるとともに、寒冷紗等の被覆資材により遮光・遮熱し、施設内温度の上昇を防ぐ。
  3. 敷きわら等により、土壌表面からの水分蒸発と地温上昇の防止に努める。
  4. 収穫は、気温の低い時間帯に行い、速やかに調製・出荷するか、予冷庫に入れるなど、高温による品質低下の防止に努める。

(2)病害虫防除の徹底

  1. 高温乾燥時は、ハダニ類、アブラムシ類、アザミウマ類等の害虫が発生しやすいので、発生動向に十分注意し適期防除に努める。特に、えだまめでは着莢期が8月以降となる作型・品種でダイズサヤタマバエの発生が多くなるため、適期防除に努める。

(3)秋冬野菜の管理の徹底

  1. 秋冬野菜では、育苗中の温度、かん水、病害虫に注意して適切な管理を行う。播種及び定植は、朝または夕方の涼しい時間帯に行い、適期作業に努める。定植後は、活着まで適宜かん水を行う。

花き

(1)適切な換気、遮光等による品質確保

  1. 施設栽培は、露地栽培に比べ高温による生育障害を受けやすいので、換気扇などを利用した強制換気により、日中の施設内温度の上昇を極力抑える。
  2. 葉温や地温を下げることを目的に、寒冷紗等による遮光(遮光率30~50%を目安とする)を行う。
  3. かん水は、施設・露地栽培ともに早朝または夕方の涼しい時間帯に行う。植物体の温度を下げる目的で、施設の細霧冷房や、露地ほ場で軽く散水することも有効である。
  4. 収穫は、気温の低い早朝に行い、高温による萎れなどの品質低下が発生しないようにする。

(2)病害虫防除の徹底

  1. ハダニ類、アブラムシ類、アザミウマ類などが発生しやすいので、防除を徹底する。なお、薬剤散布は、高温時に行うと薬害が発生するおそれがあるため、気温の低い早朝または夕方に行う。

果樹

(1)果樹園の高温時の管理

  1. 収穫期が近いりんご、もも等の早生品種は、着色不良を防止するため、樹冠内の光環境の改善、反射シートを活用して着色を促す。
  2. 着色の遅延によって収穫時期が遅れ、果実が過熱とならないよう、糖度や食味を確かめつつ、適期収穫に努める。
  3. 高温によって果実の日焼けが発生しやすい園地では、各種資材による遮光等の対策をとる。

(2)病害虫防除の徹底

  1. 高温乾燥時は、ハダニ類などが発生しやすいため園地をよく観察し、適切な防除を行う。
  2. 薬剤散布は、高温時に行うと薬害が発生するおそれがあるため、朝方などの気温の低い時間帯に行う。

畜産

  1. 遮光ネットの設置などにより、直射日光が畜舎内に入らないようにする。
  2. 畜舎内の風通しを良くし、扇風機の活用などにより、家畜に風があたるようにする。また、夜間の換気によって畜舎内の温度を下げ、涼しい環境をつくる。
  3. 飼育密度の低下や家畜等への散水・散霧により、家畜の体感温度の低減を図る。
  4. 良質で消化率の高い飼料をこまめに給与するとともに、常に新鮮な水が飲めるようにする。また、家畜の健康状態や飼槽・水飲み場の状態をこまめに確認する。

飼料作物

  1. 草地については、過放牧、過度の低刈りや短い間隔での刈取りを避け、貯蔵養分の消耗を軽減するなど草勢の維持に努める。また、夏枯れなどにより草勢の低下が見られた場合には、必要に応じ追播等的確な維持管理作業を行う。
  2. 飼料用トウモロコシについては、小規模でかん水が可能な場合は、かん水を行う。

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このページに関するお問い合わせ

農林部農業振興課農業政策係
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