高温下における農作物等の管理の徹底

ページID1010024  更新日 2024年7月9日

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高温下における農作物等の管理についてご確認ください

6月25日に仙台管区気象台より発表された東北地方の3カ月予報によりますと、7月から8月の平均気温が高いと見込まれています。高温による農作物等への被害が懸念されることから、高温下における農作物等の管理について、ご確認ください。

共通事項

〈農作業中の熱中症対策〉

  • 作業は、日中の気温の高い時間帯を外して行うとともに、休憩をこまめにとり、作業時間を短くするなどの工夫をする。特に、気温が高くなりやすいハウス等の施設内での作業では注意する。
  • 喉の渇きを感じる前に水分・塩分をこまめに摂取し、汗で失われた水分を十分に補給する。
  • 帽子の着用や汗を発散しやすい服装にする。
  • 作業場所には日よけを設けるなど、できるだけ日陰で作業をするように努める。
  • 屋内では、遮光や断熱材の施工等により、作業施設内の温度上昇を抑えるとともに、風通しを良くして室内の換気に努める。
  • 単独作業は避け、できるだけ複数名で作業を行い、時間を決めて連絡をとり合う。
  • 熱中症が疑われる場合は、速やかに作業を中断し、涼しい場所に避難するなどの応急処置をとる。症状が改善しない場合は、医療機関を受診する。

1.水稲

(1)水管理の徹底
水管理の徹底により稲体の活力を維持する。幼穂形成期に土壌水分が不足すると1穂粒数の減少を招くほか、登熟が高温条件下で経過すると白未熟粒やくさび米(黒点症状米)等の被害粒の発生が多くなることから、水管理を徹底して被害軽減に努める。

  • 追肥を行う施肥体系の場合は、幼穂形成期に栄養診断を実施し、診断に基づいた追肥を行い、出穂期以降の稲体の窒素栄養を適正に維持する。
  • 中干しは幼穂形成期前に終了し、出穂までは間断かん水とする。
  • 出穂後10日間は湛水管理(水深5~6cm程度)とし、その後は間断かん水を基本とする。ただし、最高気温が30℃以上になる場合は、用水の確保が可能であればかけ流しかん水を行う。かけ流しかん水が困難な場合(開花期後)は、落水期間の短い間断かん水やかん水を日中に行うなど、水分供給と地温の低下に努める。
  • フェーン現象等で乾燥した風の強い日は、湛水管理を行い、蒸散による水分の消耗を軽減する。
  • カドミウム含有米の発生が懸念される地域では、出穂前後各3週間は常時湛水管理とし、カドミウムの吸収を抑制する。
  • 早期に落水すると葉色の低下、枯れ上がり、根の機能減退につながるため、落水時期は出穂後30日以降とする。

(2)斑点米カメムシ類防除の徹底
高温条件では、斑点米カメムシ類の活動が活発になると予想されることから、以下の対策を徹底する。

  • 農道・畦畔の草刈りは、稲が出穂する15~10日前まで行い、イネ科雑草が出穂しない管理に努める。
  • 稲の出穂期(ほ場全体の40~50%が出穂した日)の把握に努め、出穂期10日後頃にアルバリン剤又はスタークル剤の茎葉散布剤を畦畔を含めたほ場全体に散布する。出穂期10日後頃の茎葉散布剤の散布当日から7日後までに畦畔や農道の草刈りを必ず行う。
  • 水田内に出穂したノビエやホタルイ類等が発生しているほ場、イネ科植物が主体の牧草地や休耕田等に隣接しているほ場では、出穂期10日後頃に加えて同24日後頃にも茎葉散布剤を散布する。

2.大豆

(1)畝間かん水等の実施(開花期後)
大豆は、開花~子実肥大期にかけて水分を多く必要とし、乾燥が続くと減収することがあるため、天候やほ場状況に応じて畝間かん水や明きょへのかん水を検討する。

  • 梅雨明け後は、暗きょ栓を閉めて土壌中の水分の保持に努める。ただし、まとまった降雨がある場合は、暗きょ栓を開いて排水を図る。

 畝間かん水について

  • 畝間かん水の目安は、晴天が1週間以上続き土が白く乾燥している、日中に大豆の葉が立ち、半分以上の葉で裏面が見える等である。
  • 30a以上の大きなほ場の場合は、ほ場を2~3区画程度に分け、1日1区画ずつ2~3日に分けて実施し、畝の崩壊と水口付近の湿害を防ぐ。
  • ほ場(区画)全体に水が行き渡ったら水口をしっかり止め、速やかに排水する。
  • かん水は、気温・地温が低下する朝夕の時間帯に行う。
  • 水回りが悪いほ場や速やかな排水を行えないほ場では、湿害が発生することがあるため実施しない。

 明きょへのかん水について

  • 排水口を止じ、明きょ全体に水を行き渡らせる。その後は速やかに排水する。

 地下かんがいシステムが備わっているほ場について

  • 梅雨明け後は、暗きょ栓を閉めて地下水位を40cmに設定し、降雨を土壌に貯留するように努める。
  • 地下かんがいは、晴天が1週間以上続き土が白く乾燥している場合や、日中に大豆の葉が立ち、半分以上の葉で裏面が見える場合などを目安に実施する。この時の地下水位は20~30cm程度に設定し、1日給水した後、暗きょを開放して排水する。

(2)病害虫防除の徹底

  • 高温年は害虫の発生が多くなることから、ほ場をよく観察して適切な防除に努める。

3.野菜

(1)適切なかん水、換気、遮光等の実施

  •  露地野菜では、早朝または夕方の涼しい時間帯にかん水を行う。畝間かん水する場合は、停滞水が無いように注意する。
  • 施設野菜では、天窓及び施設側面の開放や換気扇の活用により十分に換気するとともに、遮光ネットによる被覆等により、施設内の温度上昇を防ぐ。
  • 敷きわら等により、土壌表面からの水分蒸発と地温上昇の防止に努める。
  • 収穫は、気温の低い時間帯に行い、速やかに調製・出荷するか、予冷庫に入れるなど、高温による品質低下を防ぐ。

(2)病害虫防除の徹底

  • 高温乾燥時は、ハダニ類、アブラムシ類、アザミウマ類等の害虫が発生しやすいので、発生動向に十分注意し適期防除を行う。特に、えだまめでは着莢期が8月以降ちやつきようとなる作型・品種でダイズサヤタマバエの発生が多くなるため、適期防除に努める。

(3)秋冬野菜の管理の徹底

  • 秋冬野菜では、育苗中の温度、かん水、病害虫に注意して適切な管理を行う。高温乾燥時の播種及び定植は、発芽率の低下や苗の活着不良につながるため、できるだけ避けるようにする。定植後は、必要に応じてかん水を行う。

4.花き

(1)適切な換気、遮光等による品質確保

  • 施設栽培は、露地栽培に比べ高温による生育障害を受けやすいので、換気扇などを利用した強制換気により、日中の施設内温度の上昇を極力抑える。
  • 葉温や地温を下げることを目的に、寒冷紗等による遮光(遮光率30~50%を目安とする)を行う。
  • かん水は、施設・露地栽培ともに早朝または夕方の涼しい時間帯に行う。植物体の温度を下げる目的で、施設の細霧冷房や、露地ほ場で軽く散水することも有効である。
  • 収穫は、気温の低い時間帯に行い、高温による萎れなどの品質低下が発生しないようにする。

(2)病害虫防除の徹底

  • ハダニ類、アブラムシ類、アザミウマ類などが発生しやすいので、防除を徹底する。なお、薬剤散布は、高温時に行うと薬害が発生するおそれがあるため、気温の低い早朝または夕方に行う。

5.果樹

(1)果樹園の高温時の管理

  • 収穫期が近いりんご、もも等の早生品種は、着色不良を防止するため、樹冠内の光環境の改善、反射シートを活用して着色を促す。
  • 着色の遅延によって収穫時期が遅れ、果実が過熟とならないよう、糖度や食味を確かめつつ、適期収穫に努める。
  • 高温によって果実の日焼けが発生しやすい園地では、各種資材による遮光等の対策をとる。

(2)病害虫防除の徹底

  • 高温乾燥時は、ハダニ類などが発生しやすいため園地をよく観察し、適切な防除を行う。
  • 薬剤散布は、高温時に行うと薬害が発生するおそれがあるため、朝方などの気温の低い時間帯に行う。

6.畜産

  • 遮光ネットの設置などにより、直射日光が畜舎内に入らないようにする。
  •  畜舎内の風通しを良くし、扇風機の活用などにより、家畜に風が当たるようにする。また、夜間の換気によって畜舎内の温度を下げ、涼しい環境をつくる。
  • 飼育密度の低下や家畜等への散水・散霧により、家畜の体表温度の低下を図る。
  • 良質で消化率の高い飼料をこまめに給与するとともに、常に新鮮な水が飲めるようにする。また、家畜の健康状態や飼槽・水飲み場の状態をこまめに確認する。

7.飼料作物

  • 草地については、過放牧、過度の低刈りや短い間隔での刈取りを避け、草勢の維持に努める。また、夏枯れなどにより草勢の低下が見られた場合には、必要に応じ追播など適確な維持管理作業を行う。
  • 飼料用トウモロコシについては、小規模でかん水が可能な場合は、かん水を行う。

このページに関するお問い合わせ

農林部農業振興課農業政策係
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