わかりやすい水道事業の経営

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ページID1010313  更新日 2024年3月29日

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水道事業の経営とは

水道事業は、地方公営企業として独立採算制で経営しています

水道事業は、市町村が地方公営企業として経営を行っています。

市町村の一般行政事務は、住民にサービスを提供するための財源として、主に税金によって行っております。

これに対して、水道事業は地方公営企業として経営しておりますので、企業の経済性を発揮するとともに公共の福祉の増進を経営の基本原則としております。このため経営に要する経費は、経営に伴う収入をもって充てる独立採算制が原則となっていることから、財源は主として水道をご使用いただいているお客様からの対価である水道料金によって行っております。

水道水は「水道料金」から作られています

水道事業は、「税金」ではなく、主に皆さまからいただく「水道料金」から成り立っています。

水道施設の維持管理費や修繕費はこの「水道料金」から賄われています。

 

水道事業イメージ図
※水道事業イメージ図

水道事業を取り巻く経営環境の変化

水道事業は、生活に欠かすことのできない極めて重要なインフラであることから、サービスを提供し続ける必要があります。

横手市水道事業では、平成17年の市町村合併以前、8地域がそれぞれに適合した浄水処理や配水システムを築き上げてきましたので、沿革は地域によって異なりますが、大まかには横手地域では昭和20年代後半に、その他の地域では主に昭和30年代に水道事業が創設され、その後は高度経済成長期も重なり水需要の増加に合わせて施設の増強、整備が進められてきました。

現在では、旧市町村の枠にとらわれず施設の統廃合や、老朽管への対応、基幹管路の耐震化などの整備が行われてきている一方で、水道事業を取り巻く経営環境は、人口減少、節水意識・技術の向上などによる有収水量の減少、高度経済成長期に整備した施設の大量更新、近年頻発する自然災害への対応など、全国の事業体で経営の厳しさを増していると言われており、横手市水道事業においても同様に厳しい状況が続いております。

これらの課題、問題に対して取り組み、持続可能な事業として安定的に維持していくため、経営の効率化と財務基盤の強化を図りながら利用者サービスの充実を目指しますが、まずは、横手市水道事業の現状や経営環境の変化についてご紹介します。

横手市水道事業の現状 (令和4年度決算)

行政区域内人口 83,448人
給水人口 69,563人
年度末給水戸数 30,495戸
年間配水水量

9,874,564立方メートル

一日平均配水量 27,054立方メートル
年間有収水量

7,225,202立方メートル

一日平均有収水量

19,795立方メートル

職員数 36人
浄水場の数

市内合計22施設

管路延長 1,018キロメートル

補足メモ

  • 給水人口・・・69,563人とは、横手市の人口の約83.3パーセント

  • 水量・・・・・4人家族がひと月で使用する標準的な使用水量は、約24立方メートル

  • 有収水量・・・メーターを通過し料金徴収の対象となった水量

  • 管路延長・・・1,018キロメートルは、横手市から岡山市までの距離に相当する

 

経営環境の変化(内部的要因)

給水人口の減少

水道料金収入で費用を賄っていますが、その収入に直結する給水人口、有収水量の推移は次のグラフのとおりです。

給水人口は、毎年約1,000人ずつ減少している傾向にあり、それに比例するように有収水量も減少しています。

給水人口・有収水量の推移

施設の老朽化・耐震化

水道管の法定耐用年数は40年とされ、この年数を経過して使われている管を「老朽管」と呼びます。

横手市では、令和4年度末現在、総延長1,018キロメートルのうち、210キロメートル(20.6パーセント)が老朽管とされています。老朽管の布設替え工事は計画的に進めておりますが、投資できる資金は限られており、近年の配水管新設と布設替えの延長実績は年に10キロメートルほどにとどまっています。

総延長に対する老朽管延長の割合

経営環境の変化(外部的要因)

物価高に伴う電気・燃料費高騰

新型コロナウイルス感染症後の経済回復によるエネルギー需要の増加、天候不順や災害、さらには世界情勢の不安定化の影響などによって、エネルギーの需要と供給のバランスが崩れ、電力・石油などのエネルギー価格が高騰しています。

このことに加え、円安の進行も重なりさまざまな物の値段が上がっており、物価高も続いています。

横手市水道事業においても、水道水を作り、皆さんのご家庭へお届けするためのポンプなどの施設の動力費として電気を大量に使用していることから、電気料金高騰の影響は顕著に表れているほか、物価高により薬品費をはじめとした経費が掛かり増ししております。

動力費の推移

光熱水費の推移

水道事業経営の今後の見通し

水道事業は、生活に欠かすことのできない極めて重要なインフラであることから、サービスを提供し続ける必要があります。

しかし、先の紹介のとおり水道事業を取り巻く環境は年々厳しさを増しており、これらに対応するため、今まで以上に経営健全化に取り組む必要があります。

また、平成31年3月に策定した「横手市水道事業経営戦略」では、令和8年度に9.86%の料金改定を行う試算をしているところですが、新型コロナウイルス感染症やエネルギー価格高騰の影響により、想定を超える減収と費用の増加があり事業環境に著しい変化が生じ、事業計画などと実情との乖離が大きくなっていたことから、見直しをせざる得ない状況となっておりました。

このため、安定的な事業経営を図るため中長期的な水需要予測等に基づいた事業計画と、財源の実現可能性を検証した経営戦略との整合を図るための、事業計画と経営戦略を一体のものとする「横手市水道事業計画・経営戦略」を令和6年3月に改定しました。

この、事業計画および給水量予測に基づき、計画期間内全体にわたり損失を生じさせないことを前提とした場合、令和8年度に平均29%引き上げる料金改定が必要となる試算となっております。

なお、実際の料金改定の時期等については、利用者の急激な負担増加を防ぐため、激変緩和期間を設けることが合理的と判断しております。

「横手市水道事業計画・経営戦略」の改定内容については、下記リンクからご覧ください。

水道事業計画とは

水道事業計画は、水道事業ビジョンで掲げる理想像を実現するため、その施策を実現し、安全な水道水を安定して市民の皆様に供給するため、計画的な施設の統廃合や耐震管路への更新を行うとともに、安定した経営の実現を目指すための事業計画です。

水道事業経営戦略とは

おおむね10年間を見通した水道事業の経営を展望し、将来にわたって安定的に事業を継続していくための中長期的な基本計画です。

施設・設備投資の見通しである「投資試算」等の支出と、財源の見通しである「財源試算」を均衡させた「投資・財政計画」(収支計画)を明らかにするものであり、この「投資・財政計画」に沿って経営基盤の強化と財政マネジメントの向上に取り組んでいくことが求められています。

将来にわたって持続可能な経営をしていくためには財源の確保が重要であり、そのためには適正な料金水準を設定する必要があります。

また、水道事業の持続的な経営の確保のため、次の取り組みを行っていきます。

着実な更新投資の促進

老朽化による事故などが発生した場合には、皆さまの生活に大きな影響を与えることから、水道サービスが持続的かつ安定的に提供されるよう、着実な更新投資を進めます。

浄水場イラスト

料金収入の確保

経営戦略の策定などを通じ、独立採算制の原則と経営基盤の強化を図る観点から、計画的に料金水準を検討いたします。

また、健全な事業を運営するとともに、お客様の負担の公平を期するためにも滞納整理に努めています。

会議のイラスト

ICT、IoTなどの先端技術の活用

水道スマートメーターによる自動検針や漏水情報の自動収集などについて、実証実験を行い、その結果を踏まえて活用を検討します。

スマートメーターイラスト

このページに関するお問い合わせ

上下水道部経営管理課企業総務係
〒013-0022 秋田県横手市四日町3番23号(水道庁舎2階)
電話:0182-35-2251 ファクス:0182-33-3429
お問い合わせフォームは専用フォームをご利用ください。