第18回読書に関する作品コンクール審査結果

ページID1010534  更新日 2024年3月5日

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特選

各部門の特選作品をご紹介します

文章部門

読書感想文

「どこに行っちゃうの?みずたまくん」

朝倉小学校 二年 稲川 結愛

 

 

「あっ!みずたまが雪のけっしょうにかわった。すごいな。」
 わたしが、「みずたまのたび」で一番びっくりしたところです。みずたまは、よく雨の日に見かけるけれど、そのみずたまがたびをするなんて考えたこともなかったので、読んでみたくなりました。
 この本では、みずたまがいろいろなところにたびに出かけます。読んでいくと、小さなつぶになったり、雪のけっしょうになったりしながら、すがたをかえて、たくさんのたびにでかけていて、とてもわくわくしました。みずたまは、さらに、川でカエルやアメンボ、鳥と出会ったり、海の友達にあいさつしたりと、楽しくたびをしていました。なんだかとてもうらやましくなりました。わたしがみずたまだったら、花の広場に行って虫さんと合流して、みつをすったり遊んだりしてみたいです。
お空からなら、私のお家を上から見てみたいです。
 さいごに、「わたしをまっていたのかな?」という文がありました。わたしのお気に入りの文です。わたしは、みずたまは、みんなにすかれているんだなと思いました。いろいろなところに出かけていても、みんなに「またあそぼうね。」と言ってもらえるなんて、すてきだなと思いました。
 この本を読んで、みずたまについて、知らないことをたくさん知ることができました。みずたまが、こんなにへんしんして、空にも地下にもどこにでもいけて、またもどってくることができるなんてはじめて知りました。いつも見るみずたまが、そのうちきえてなくなるのは、たびに出ているからなのだと分かりました。ふだん見るみずたまにも、それぞれのたびがあることを知って、これからみずたまを見るたびに、どこに行くのかそうぞうするのが、楽しみです。いろんなところに行くためにへんしんするみずたまのゆくえを、これからも注目してみてみたいと思います。

 

『みずたまのたび』アンヌ・クロザ/さく こだましおり/やく〔西村書店〕

作品選評

 

 

読書は、自分の生活を豊かにし、言葉の力を育ててくれるものなのだなと、結愛さんの読書感想文を読んで改めて感じました。

結愛さんは、科学絵本「みずたまのたび」を読んで得た知識を基に、身の回りの自然事象を見つめています。すると、新たな発見があり、それによって、驚きや感動が生まれています。分かったことからさらに空想を広げ、楽しみながらページをめくっている結愛さん。読み進めるわくわく感が、読書感想文を読む側にも伝わってきました。結愛さんのように身の回りのこと・ものを見つめたら、雨の日や雪の日も、心をはずませながら過ごせそうです。

このように、読書によって生まれた喜びや楽しさが伝わってくるのは、結愛さんの文章が、いきいきとした言葉で表されているからなのでしょう。水の変化を「へんしん」「みずたまのゆくえ」と表したり、お気に入りの文を引用したりと、読み手を惹き付ける表現の工夫がたくさんありました。伝えたい思いをとても読みやすい構成でまとめていることも、この読書感想文のすばらしさの一つであると感じました。

本を読んで感じたことや考えたことを、家族や友達などと話し合ったり、文章にまとめてみたりすることで、自分の思いや考えが、より確かになったり深まったりする。毎日の生活が豊かになり、そのことが、「本っていいな、もっと読書したいな」という思いへ繋がる。読書によって、言葉の力が高まる。結愛さんの読書感想文から、本に親しむ横手市の子どもたちの姿が浮かんできました。


短文部門

本読んで 心のビタミン チャージする 明日も私 がんばるぞ

浅舞小学校 四年 神谷 映

作品選評

 

 この作品からは、作者が読書に対する愛情と前向きな姿勢をもっていることがうかがえました。また、読書が心に元気や活力を与えるという明るいメッセージが伝わってきました。
 作品を手にした瞬間、「心のビタミンチャージする」という言葉に引きつけられました。神谷さんは、どこでどんな時に本を手に取るのでしょう。つい、想像してみたくなりました。すると、学校の朝の読書の時間、お気に入りのシリーズ本を読んで「よし、やるぞ。」と一日のスタートを切る姿、授業中、疑問に思ったことを解決するために、図書室で図鑑や事典を何度もめくる姿、休日には自分の趣味の本を読み、ほくほくの笑顔になる姿と、さまざまな場面が想像できました。きっと神谷さんは、読書によって、知識や教養を身に付けるだけでなく、感動や楽しさ、癒しや勇気など、心に必要な栄養素を補給することができることを実感しているのでしょう。「心のビタミンチャージする」という言葉は、神谷さんの実体験が基になって生まれた言葉なのだと思います。
 また、「明日も私頑張るぞ」という言葉には、どんなことがあっても未来に向かって進んでいくんだという、強い思いが込められているのではないでしょうか。読書が、私たちの心に無限の可能性を開く素晴らしい活動であることを改めて感じさせられました。
 読み終えた後、読み手の気持ちまでも前向きにさせてくれる、そんな作品に出会えたことをとてもうれしく思います。

 


絵画部門

絵:よだかの嘆き

よだかの嘆き

吉田小学校 五年 柴田 桜子

『よだかの星』宮沢賢治/作〔岩崎書店〕フォア文庫

作品選評

 宮沢賢治が伝えようとした物語の世界観を画面いっぱいに表現しています。水彩絵の具の使い方の工夫も随所に見られました。「よだか」の悲しみ、苦しみ、さみしさ等すべての感情を表そうと細部まで丁寧に描いています。特に、よだかの羽は、絶妙な描き方になっていました。夜空に飛び立つ「よだか」の青白く燃える思いが象徴的に描かれているのも素敵です。




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